第一編  第5話     
   
    ネクタイの始まり 日本編                  

                           少し加筆致しました

 
日本にネクタイが齎されたのは幕末に洋服が入った時でした。片山淳之助氏の著した「西洋衣食住」(1867年)の中に”ネッキタイ”として紹介されています。ネクタイが日本に紹介された文献としてはこれが最初のようです。ネクタイが紹介されたのは明治の事ですので、調べると結構詳しい事が記載されています。
 日本人として初めてネクタイを販売した人は、東京の日本橋区橘町で洋品雑貨商を営んでいた田中力蔵氏といわれています。明治15年頃より輸入ネクタイの販売を始めましたがあまり売れずその期間はごく短かったといわれています。 


 その後2〜3年遅れて、帽子商を営んでいた小山梅吉氏が、中古ネクタイを見本に帯を裁断してネクタイを作ったと言われています。日本人として初めてネクタイを作り販売した人ということになります。時は明治17年(1884)、彼が24歳の時だそうです。 
 そして、明治20年頃より唐物屋(とうもつや)とか舶来屋と称しインポートの物を商っていた店に奉公していた南文蔵と言う少年が、ネクタイに関心を持ち、ネクタイ製造に踏み出しました。明治27年、17歳の時だそうです。しかし、売上金額はたいした事はなく、やっと生活できる程度だったと言われています。

 明治22年(1889)明治憲法が制定され、この頃から男性の洋服が流行し始めました。日清戦争後は更に流行は広がっていきました。この流行に拍車がかかった明治28,9年頃東京浅草瓦町でネクタイ問屋を始めたのが、寺田商店の寺田銑三郎氏です。寺田氏こそ、ネクタイを事業としてスタートさせた日本で最初の人です。そして、その功績により、日本中にネクタイが紹介され、急速に普及しました。

 ネクタイをモデルに日本の勃興期である明治を少しだけ垣間見てみましたが、とてもエネルギュイッシュで沸き立つような熱さを感じます。その頃生きた人たちはどんな気分で生活していたのでしょうか。これからの日本がどうなっていくか期待と不安の中で心躍らせていた気分はどのような物だったのでしょうか?ちょっとタイムスリップしてみたくなりますね。

下記文献も参照致しました
   日本ネクタイ史        日本衣料新聞社   1956   

   服装大百科事典        服装文化協会 編        
       有難う御座います。


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